
1. 知らないうちに迷惑に?マンションガーデニングで起こりやすいトラブルとは
マンションのベランダは「専用使用権」があるものの、あくまで共用部分。隣接する住戸や上下階とも距離が近いため、少しの工夫不足が思わぬトラブルを招くことがあります。
● よくある問題1:水や土の飛び散り
植物への水やり時に、鉢底から排水があふれたり、受け皿から溢れた水が下の階の洗濯物にかかるケースがあります。また、乾いた土が風で飛んで隣のベランダに入り込んでしまうことも。
▶ 実際にあった事例
東京都内の分譲マンションで、上階の住人が水やり時にベランダ床の排水口から水を流していたところ、真下の住戸の洗濯物に泥水が跳ねたというトラブルが発生。苦情を受けた住人は平謝りでしたが、管理組合を巻き込んだ話し合いにまで発展してしまいました。
▶ 対策
- 鉢の下には必ず受け皿を設置する
- 水やりは風のない早朝か夕方に行う
- 人工土や重めの土を使って飛散を防ぐ
● よくある問題2:落ち葉や花びらの飛散
強風で落ち葉や花びらが隣や下階に飛んでいくことも、実はよくある苦情の原因です。特に落葉樹や花の咲く品種を育てるときは注意が必要です。
▶ 実際にあった事例
ある女性(40代・主婦)は、春にガーデニングを始めてチューリップを育てていましたが、花びらが風に乗ってお隣のベランダへ。お隣さんから「掃除が大変」と言われたことで気まずくなり、植物を処分してしまいました。
▶ 対策
- 落ち葉の少ない品種を選ぶ(例:観葉植物、ハーブ)
- 咲き終わった花はこまめに花がら摘みを行う
- 植物は風の当たりにくい場所に配置する
● よくある問題3:植物の高さ・広がりによる視界・日照の妨げ
手すりの外に植物がはみ出したり、背の高い植物が日差しを遮ったりすると、隣人にとっては大きなストレスになります。見た目や景観も関わるため、クレームにつながりやすいポイントです。
▶ 実際にあった事例
上層階に住む男性が、プランターで育てていたオリーブの木が1.5m以上に成長し、隣室のベランダに日陰を作るようになってしまいました。日当たりの悪さに困った隣人から管理会社に連絡が入り、強制的に剪定するよう指導が入りました。
▶ 対策
- 手すりの高さを超える植物は避ける
- 横に広がる植物やつる性植物は剪定で管理する
- 鉢やプランターは手すりより内側に設置する
2. まずチェック!マンションでガーデニングを始める前に確認すべき3つのルール
「楽しむ前に確認」——これがマンションガーデニングの鉄則です。後からトラブルに発展しないためにも、最初に確認しておくべき3つのポイントをしっかり押さえておきましょう。

● ① 管理規約と使用細則のチェック
マンションによっては、ベランダでの植物の設置に制限がある場合があります。使用細則に「鉢は排水口をふさがない位置に置くこと」「手すりを超える高さは禁止」などと明記されていることも。
▶ 実例:管理規約を読まずに吊り鉢を設置していたAさん
おしゃれなハンギングプランターを設置していたAさん。ところが、管理人から「落下の危険があるため取り外してほしい」と注意されてしまいました。後で確認したところ、規約にしっかり「吊り鉢禁止」と明記されていたのです。
▶ 対策:
- 入居時やガーデニングを始める前に、必ず管理規約を読む
- 不明な点は管理会社や管理人に確認する
● ② ベランダの“専有部分”と“共用部分”の違いを理解する
多くの人が誤解しがちなのが、「自分のベランダ=自分の敷地」ではないということ。マンションのベランダは基本的に“共用部分”とされ、使い方には制限があります。
避難経路(避難はしごなど)をふさぐような鉢の配置は防災上の問題になりますし、壁面や床を傷つける行為もNGとされていることがあります。
▶ 実例:避難はしごの上に鉢を並べていたBさん
非常時に使うはずの避難はしごの真上に大型のプランターを並べていたBさん。点検時に消防から指導が入り、「即時撤去」を命じられました。
▶ 対策:
- 避難はしごや防災設備の周辺には絶対に物を置かない
- 共用部分という意識を持ち、景観や安全面に配慮する
● ③ 周囲の住人への“事前配慮”を忘れない
ガーデニングは自分だけの趣味ではありません。香りの強い植物や、虫が寄ってくるような環境は、隣人にとってストレスになることも。
特にマンションは壁が薄く、声や音・においも伝わりやすい環境です。自分が「癒し」と思っていても、周囲にとっては「負担」になることもあります。
▶ 実例:ハーブの香りにクレームが入ったCさん
ベランダでラベンダーを育てていたCさん。良い香りがすると思っていたところ、隣の住人から「窓を開けていると気分が悪くなる」と苦情が入りました。香りの好みは人それぞれ。思わぬところで気遣いが必要です。
▶ 対策:
- 香りの強い植物や虫を呼ぶ植物は量や場所に注意
- 植物を置く前に、近隣の人に一言あいさつできるとベター
3. 迷惑をかけない植物選び|育てやすくて周囲に優しいおすすめ品種

マンションでガーデニングを楽しむ上で、どんな植物を選ぶかは非常に重要です。見た目や香りだけで選ぶと、思わぬトラブルにつながることも。ここでは、近隣への配慮が必要な理由と、安心して育てられる植物をご紹介します。
● 植物選びが迷惑を防ぐカギになる
トラブルの原因になりやすい植物には共通点があります。
- 花びらや葉が多く落ちる(落葉樹・多年草など)
- 虫がつきやすく、繁殖しやすい(バラ、ゼラニウムなど)
- 成長が早く、枝や茎が伸びて手すりを超えてしまう(アイビー、つる植物)
こうした植物はベランダでの管理が難しく、周囲に被害を与えるリスクも高くなります。
● 実際のトラブル例:落ち葉と虫の大量発生
ある女性(50代・会社員)は、見た目が華やかだからとゼラニウムを複数鉢育てていました。ところが秋になると花がらや落ち葉が風で飛び、さらにアブラムシが大量発生して、隣の住戸の網戸にまでついてしまう事態に。苦情を受けて全鉢撤去せざるを得なくなりました。
● 迷惑をかけにくいおすすめ植物
以下の植物は、落ち葉が少なく虫もつきにくいため、マンションでのガーデニングに向いています。
■ 多肉植物(セダム、エケベリアなど)
水やりが少なくて済み、成長もゆるやか。室内・屋外どちらでも育てやすいです。
■ ハーブ(ローズマリー、ミント、レモンバームなど)
比較的虫がつきにくく、背丈も低めで収まりが良い。料理にも使えて実用的です。
■ 観葉植物(ポトス、サンスベリア、パキラなど)
常緑で落ち葉が少なく、虫もほとんどつきません。室内でも育てやすいので移動も簡単。
● 植物選びのポイントまとめ
- 落ち葉が少ない
- 虫がつきにくい
- コンパクトで広がらない
- 強い香りがしない
植物を選ぶときは“自分が好き”だけでなく、“周囲に迷惑をかけないか”という視点も持つことが、マンションガーデニングの基本です。
4. ベランダでも安心!土・水・風への“飛散防止”テクニック

植物を育てるときに欠かせないのが、水や土。ですがこの2つが原因で、ご近所トラブルになることがよくあります。ここでは、マンションならではの環境に配慮した“飛ばさない・こぼさない”ための具体策をご紹介します。
● 水トラブルを防ぐ基本の工夫
ベランダでの水やりが、下の階や隣の部屋の洗濯物に影響を及ぼすことも。排水口から流れた水が泥水になって下階へ伝わる…という例も少なくありません。
▶ 対策ポイント:
- 鉢の下には必ず受け皿を設置し、水が流れ出ないようにする
- 水やりは風のない日・朝や夕方のタイミングに
- 受け皿に溜まった水は毎回捨てて清潔に保つ
● 土の飛散を防ぐには?
土は乾燥してくると、強風に乗って飛びやすくなります。これが原因で隣の部屋に土ぼこりが入る、窓が汚れるなどの苦情につながるケースも。
▶ 対策ポイント:
- 軽くて舞いやすい園芸用土ではなく、人工培養土や重めの土を使う
- 鉢の表面に**マルチング材(ウッドチップや小石)**を敷いて乾燥・飛散を防ぐ
- 大きめの鉢や安定感のある容器を選ぶことで転倒も予防
● 風対策も忘れずに!
ベランダは風が強く吹き込む場所でもあります。軽いプランターや吊り鉢が飛ばされたり、背の高い植物が倒れて破損や落下事故につながることも。
▶ 対策ポイント:
- 吊り鉢やスタンド型プランターは強風の日は室内へ移動
- 背の高い植物は風の当たりにくい場所に置く or 支柱で固定
- 鉢やプランターの下に滑り止めマットを敷くと安心
● 実際の事例:排水と風でトラブルになったケース
40代の女性が、夏に毎朝ベランダでホースを使って水やりをしていたところ、排水口を通じて下の階のベランダに泥水が流れ込み、洗濯物を汚してしまいました。また、軽量プランターが強風で倒れて転がり、隣のサッシを傷つけるという事故も。どちらも管理会社を通して対応する事態となり、「もっと早く対策しておけばよかった」と後悔したそうです。
5. 植物の配置と高さに注意!迷惑を避けないための置き方ルール

マンションのベランダは限られた空間であるうえ、隣や上下の住戸と密接しているため、植物の置き方ひとつで「迷惑」と受け取られてしまうこともあります。見た目のおしゃれさよりも、まずは安全性と配慮を優先しましょう。
● こんな置き方はトラブルのもと!
- 鉢が手すりより外側に出ている:落下のリスク、景観の問題
- 背の高い植物が視界を遮る位置にある:隣室の日当たりや眺望を妨げる
- ベランダの柵に植物を絡ませる:外壁に傷をつけたり景観を損ねる恐れ
● 実例:オリーブの木がトラブルに
2階に住むDさんは、観葉植物のオリーブを手すりの近くに置いていました。成長とともに背が伸び、隣室のベランダに影を落とすように。隣人から「洗濯物が乾きにくい」と苦情が入り、管理組合から剪定の指導がありました。
● 安全・快適に配置するためのポイント
- 鉢やプランターは手すりの内側かつ足元近くに置く
- 1メートル以上の植物は壁際や室内に設置するのが無難
- 吊り鉢は高所・強風の場所では使わない or 室内に変更
- 日照や視線を遮らないよう、低めの植物を選んで複数配置するのもおすすめ
ベランダは自分だけの空間ではなく、周囲と“ゆるやかにつながっている場所”です。小さな配慮が、ご近所との良好な関係を保ちながらガーデニングを長く楽しむカギになります。
6. ベランダだからこそ楽しめる!マンションガーデニングの魅力
マンションのベランダはスペースが限られている分、アイデア次第で庭とは違う魅力的なガーデニングが楽しめます。ここでは、ベランダならではのメリットをご紹介します。
● 空と街の風景を楽しむ「空中庭園」
高層階や見晴らしの良いベランダでは、空や街の景色を背景に植物を楽しめます。まるで空に浮かぶ小さな庭のような雰囲気が味わえるのは、ベランダならではの魅力です。
● 垂直スペースを活用しておしゃれに演出
壁面や手すりを使って、吊り鉢やハンギングバスケットを飾るのはベランダならでは。スペースが限られているからこそ、収納やレイアウトを工夫する楽しさも広がります。
● 虫や雑草が少なくて管理が楽
地植えの庭と比べて、土に直接触れないベランダは虫が発生しにくく、雑草が生えないので手入れも簡単。初心者や虫が苦手な人にとっては安心して始められる環境です。
● 気候の調整がしやすい
屋根の張り出しや壁の反射熱のおかげで、風や日差しの当たり具合を調整しやすいのも特徴。植物の置き場所を季節に応じて変えることで、快適な育成環境を保てます。
● インテリア感覚で楽しめる
室内と近い距離にあるベランダは、植物をインテリアの一部として楽しめます。カフェ風やナチュラル風など、テーマを決めた空間づくりも人気です。